暇潰しに打ってたらいい感じに話がまとめられたのでそのまま送信。
読み返しもしてないので誤字脱字日本語の怪しい部分はスルー推奨。
会話だけ打ってたのになんでこんな事に。
コミケは大満足でした。
岳人とヒロインのみの登場です。

読み返しもしてないので誤字脱字日本語の怪しい部分はスルー推奨。
会話だけ打ってたのになんでこんな事に。
コミケは大満足でした。
岳人とヒロインのみの登場です。
「岳人ー」
「あー?」
「何か面白い事言え」
ドリンクバーのストローをバキバキに折ったり噛んでみたりと、見るからに暇を持て余している岳人に漠然とした話題を振る。
珍しく二人でファミレスで時間をだらだら過ごしているわけだけどさすがに四時間もいると話題も尽きるわけで。
帰るって言う選択肢もあるけどそれも面倒なのでだらだらしているわけなのだけれども。
「昨日さ」
「うん」
少しだけ考えて岳人が口を開く。
「お前のジャージなくなったろ?」
「……岳人がやったの?」
嫌な予感を込めて聞き返してみたけれども、岳人がやったとは思えない。
こういう時豪快に態度に出る性格をしているから、今までの経験上岳人が犯人だとは少し考えにくい。
そう思って聞いたのに。
「いや、部室で飯食ってたら何か知らないうちに醤油が垂れててさー」
実行犯ではないけど一味か。
岳人への信頼とか超崩れたよ。
後で精神的に嫌がらせをしてやる。
「だから誰が零したの?!それよりあたしのジャージはどこ?!」
「流石にそれをそのままにすんのはヤバいと思って話し合いの結果ジローのとこで洗ってくることになったんだよ」
「それをなんであたしに言わないの!あと誰が犯人なの!」
「俺が言っておくって話になったんだけど忘れてた」
「全然反省がない!あとたしの話を聞けー!!」
全然反省してないのはどういうことなんですかお前。
超ハップンですよ!
普段温厚な草食動物と例えられるあたしだって怒る時は怒るっつーの!
しかもジローちゃんまでグルになってるとは思わなかった…!
「良くある話だろ」
あたしの怒りは一切伝わってはいない様子で、物凄く適当にあしらわれる。
本当岳人のくせに生意気です。
「謝る意志が見受けられないんだけど」
「謝る必要なくね?」
「あーりーまーす!今すぐあたしに泣いて詫びるべきだよ。それが嫌ならあたしにイチゴパフェを奢るべきだ!」
「そんなことよりさぁ」
「流された!」
「だって話済んだろ?」
まだ話すのかと言いたいような表情が非常に腹立たしいのです。
あたしの抗議はなかったことにするのですか。
それがお前から私への友情ですか。
「そりゃ済んだけど…でもさぁ!」
「でもじゃねーっつの、問題ねぇだろ?」
「でもなーんか釈然としないんだけど」
「そういうもんだろ、現実なんて」
あたしの抗議をやんわりといなし、岳人は新しく取ってきたコーヒーカップに口を付けながら妙にカッコ付けている。
そのコーヒーにミルクも砂糖もモリモリのくせに。
「……なんでそんなちょっと良い話的な感じになってんの」
自分に分の悪い話を適当にさり気なく流す力を岳人が身に付けているとは思わなかったです。
やるな岳人…!
「細かい事気にすると禿げるぞ」
「禿げませんー。あたしは一生超ふさふさで生きますー」
「そういう奴が一番先に禿げるんだよ」
「禿げないよ!」
「禿げる!」
「禿げない!」
「禿げてる!」
「禿げてないよ!なんで禿げなきゃいけないの!」
「やっぱ前世の罪とか?」
「いきなり話が広がったね」
「だってお前色々可哀想じゃん」
「超聞き捨てならない。可哀想なのはお前ですー。あたしとか全然可哀想じゃないですー」
「俺は全然可哀想じゃねぇだろ」
反論を鼻で笑っているけれども笑っていられるのも今のうちです。
笑い出したい気持ちを押さえ、あくまで冷静にあたしは言葉を続けた。
「岳人は何も知らないからそんな事言えるんだよ」
あたしの言葉に嫌な響きを感じたのか、岳人の動きがひたりと止まった。
「…………どういう意味だよ」
「吹奏楽部の子いるでしょ?」
この状況でにやりともせず我慢できたあたしは超偉いと思う。
「…………どこまで知ってんだ」
あたしの真意を推し量るように岳人にしては珍しく慎重に言葉を選んでいるようだった。
「正解はどれでしょーうか。
1:あたしが一人でニヤニヤしている
2:カップルバスターズ支部長の忍足まで知ってる
3:全部あたしの仕込み」
非常に簡単極まりない三択問題。
普段の岳人なら惑わされずに正解に辿り着けるはずだったろうけど、いつも以上に動揺をしている岳人がその答えに行き着くはずもなく。
「……………2…?」
「正解は、4:全員が知ってて動向を見守っている、でしたー!」
ここで全開に種明かし。
岳人はなぜ気付かなかったんだ、あたしがこんな楽しそうな事全員で共有しないはずがない事を…!
ヒャハハハ悪役のような笑いを上げながら事実を告げると、殴られそうな勢いを持ちつつ絶望を滲ませたような岳人にしては珍しい複雑な表情で落ち込んでいた。
「……なぁ」
「ん?」
「どこまでがマジだ?」
まだあたしが嘘を吐いてると思ってるんですかこいつは。
あたしのマブダチなのに往生際が悪い。
仕方がない、言わなければ言わないまま済ませようと思ってたけど岳人が知りたいなら仕方ないよね!
岳人の頼みなら断れないよね!
あたしは言いたくないんだけど岳人がどうしてもって言うからー。
「全部マジですが何か。言ってしまえば前の宍戸の時のように全員把握済みです。むしろ2年生も知っててほくそ笑んでいます」
「マジかよ!」
「マジ」
「あああああマジへこむ…!」
やっぱり落ち込んだ。
だから言わなかったのに。
あたしがこんな事を言うのはお門違いだけどこの絶望をバネに早く立ち直って元気になってほしいです。
言ったら理不尽に切れそうだから言わないけど。
「元気出して岳人、レモン食う?」
「紅茶に浸ってたやつなんか食わねぇよ」
「なんで」
「なんでもだよ馬鹿」
強がる姿が非常に痛ましく、そして猛烈に愉快です。
岳人頑張れ。
「馬鹿って言う方が馬鹿なんだよ」
「じゃあお前が馬鹿なんだろ」
「でも岳人が馬鹿なのは変えがたい事実だしさぁ」
「お前にだけは言われたくないお前にだけは」
「繰り返された!」
「あーもうお前マジ信じらんねぇ!本当覚えておけよ?!」
「覚えてられたらねー」
ニヤニヤしっぱなしのあたしとは対照的に忌々しさを隠そうとしない岳人。
私の勝ちです。
結局、あたしのジャージを汚した犯人は有耶無耶のままでしたが、いい感じに岳人へ仕返しができたので満足です。
明日間違いなく朝練で血の雨が降り兼ねないけどそれはそのときで。
でも誰だか知らないけどジャージについては覚えてろ。