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2024/04/25 21:45 |
梨うめぇ

帰りの電車で突発的に思いついて書き出したら止まらなくて
でも結局何も伝えられるものはない、いつも通りの小話です。

適当に思い切り捏造設定盛り込みまくりなので捏造とか駄目ですファッキンとか言う人はごめんなさい。
名前変換は特にありませんが、オリキャラというか適当な名前がポロっと出てます。
駄目な人ごめんなさい。

最近フィーバーが止まらない滝小話です。





















****************************************************************************











部活も終わり、あーでもないこーでもないと適当に喋っている最中、
滝が壁にかけているカレンダーに目を向け小さく「あ」と呟いた。
そしてごそごそと鞄の中から携帯を取り出すとカチカチと何やら操作をしてどこかへ電話をかけている様子。
そんな滝の姿を横目に見ながら、掃除当番のわりふりを考えていたりしたのだけど。


「ああ、ミヨさん?萩之介です、今いいですか?」

滝がそう携帯に向かって喋りだした瞬間、部室にいた人間の気持ちが一瞬で一つになった。


 女 だ !


凄まじい勢いで一つになった心そのままに円陣になり声を潜めたつもりでヒソヒソと現状把握を行う。
と言っても、滝の言葉は一字一句逃さないように全身全霊の気力を耳に集中しているわけですが。
「ちょちょちょちょ、今の聞いた聞いた?!」
「ミヨさん、て言ってましたね!」
「女!女の名前!しかも年上じゃね?!」
「さすが滝やな…」
「滝おっとなー!!」
「あいつ浮いた話がねぇと思ったら年上と付き合っていやがったか……」
「不潔です」
「ミヨって初めて聞いた名前やなぁ……」
突如勃発した年上ハンター滝伝説にわかりやすくひそやかにテンションの上がるあたし達。
本当誰だよミヨさんて!!!
滝は気付いて居ないのか、驚き(一部から羨望)の眼差しを向けられる中なんとも楽しそうに携帯で会話を続けていた。

「突然ごめんなさい、今日誕生日だったでしょう?お誕生日おめでとうございます。
 次に会う時はミヨさんのために庭に咲いた牡丹持って行きますね」

ふふふ、と少し嬉しそうに笑う辺りガチです。
これは間違いなくガチ物件です。
「牡丹!誕生日に牡丹持ってく中学生ってねぇだろ!それはねぇだろ!牡丹はねぇよ!」
年上好き疑惑のある岳人の琴線に触れたのか、何故か一人で過剰にツッコミを入れている。
なんかよくわからんけど頑張れ岳人。

「ていうか喜ぶのかな牡丹もらってー。ていうか牡丹でどんな花、ピンクい??」
「わかんねぇけど……なんかティッシュで作った花みてぇなヤツじゃね?」
「それやそれ、なんかエラいわしゃわしゃしてるヤツやったはずやで」
わかりやすいんだかわかりにくいいんだか微妙な説明のせいで頭の中では
ティッシュで作った花を抱える滝の姿が浮かんできて全然ときめけない。
ていうか滝の時点でときめくかどうか疑問なんだけど。
「ロマンチックですね!滝先輩凄いなぁ……」
「あああ、でも誕生日に好きな人が花束持ってお出迎えとかはロマンかもしれない!」
「お前には一生縁がねぇな」
「うっさいよ!でも滝がそんな目立つことするなんてちょっと意外。意外と情熱的なんだねぇ」
友達の意外な一面を見てしまった気がしてお母さんのような気持ちで
あたしは楽しそうに会話を続ける滝を眺める。
色々四方八方からターゲッティングされているわりに明確に誰と付き合ったとか
そういう話があたしの耳にあまり聞こえてこなかった滝が
まさかこんな他校の年上女子(推測)と良い雰囲気になってるとは思わなかったよ……!!

「だって一年に一度しかないミヨさんのお誕生日なんだから少しは俺にもカッコつけさせてほしいじゃない」

あたしが一人感慨深くなっている最中、どんどんと滝がパッション溢るる言葉を吐きまくっている。
そんなキャラだったんですかお前……!!
「殺し文句やー!!口説き体勢入っとるやん!!滝不潔やー!」
「つーかあいつ衆人環視の中で激恥ずかしいこと言えるよな……」
「お前無理に難しい言葉使わなくても馬鹿はバレてるぞ」
「んな事ねぇよ、それよりボタンてやっぱティッシュみてぇな花でいいんだよな?」
「馬鹿がこぼれるから無理して喋るんじゃねぇ」

……というか滝がどうこう言う前にみんなが妙にはしゃいでいるように思えるのはあたしの気のせいでしょうか。
いや、多分普段よりはしゃいでる。
なんだかんだ文句を言いながらもみんな身近な人間の恋話とあって妙にいきいきとしているように見える。
やっぱねぇ、こんな堂々とされちゃこっちも素直にはしゃぐしかないよねぇ。

「ごめんなさい、それだけなんです。電話だけど誕生日当日にお祝いしたかったから。うん、それじゃ」

最後の最後までなんかときめくような発言を重ね、滝は興味津々のあたし達に向かってやわらかく微笑んだ。

 

「今の、婆様の一番弟子さんで来年還暦なんだけど凛としてお綺麗な人なんだ」






……………還暦?

「へ?」

還暦?

滝の豪快なネタバレっぷりにはしゃいでたのに一気に部室が静まり返る。
……還暦って年齢のことだよね?
唖然というか、うっかり固まっているあたし達を見て、相変わらずにこにこしっぱなしの滝。

口調や声色は穏やかなのに何故「貴様等まんまと引っかかったなヒャハハハ!!」
言外に言われてからかわれている気分になるのは何故だろうか。
なんとも残念なネタバレに盛り上がってた気持ちは一気に引っ込んでしまう。
「なんだばあちゃんかよ」
「お前どんだけ守備範囲広いねん」
みんな同じ気持ちだったのかブツクサ文句を言いながらさっさと帰り支度を始めている。
さすが砂上の楼閣並みに脆い結束。

「まさかこんなとこでそういう類の発言なんてするわけないのにねー」
「それはわかってたけどやっぱ目の前でそういう発言をされると盛り上がっちゃうもんじゃん」
ニヤニヤしている滝の顔を見ると多分あたし達がこういう反応をするのをわかって
わざと部室で電話したんだろうなとか色々と勘繰ってしまうあたしは多分間違ってはいないはず。

 

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2008/10/05 00:26 | 小話

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